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太陽光発電のパネル設置費用は?新築や既存住宅など状況に応じた相場を解説

太陽光発電が普及してきて、屋根に太陽光パネルがついたお家を見かける機会もかなり多くなりました。

その光景を見て、「我が家も太陽光発電をしてみたいけど最初にいきなりお金がかかるんじゃないか」と不安と迷いを抱いている方もいらっしゃるかと思います。

今回は、太陽光パネルの購入から設置までの費用について解説しますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください。
設置費用などの初期費用や太陽光発電により得られる効果が理解できれば、設置するかどうかを決める手助けとなるでしょう。

関連記事:太陽光発電が向いてない家とは?メリット・デメリットを紹介!

住宅用太陽光発電の設置費用相場は?

太陽光発電の購入を検討する時に、どうしても初期費用に囚われてしまいます。
その上、何か難しそうなことばかりが書かれていると不安な気持ちになるものです。

まずは基本的な考え方として、太陽光発電システムの見積り金額の出し方・金額の見方は、「1kWがいくらなのか?」で考えるようにしましょう。

「設置費用=パネルのkW数×kWの単価」で計算されることが、一般的に多いためです。

経済産業省の発表では、「調達価格等算定委員会」によって、太陽光発電システムの費用相場が示されており、毎年検討されています。

委員会の「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」という意見書の内容から見ると、2022年度では、新築・既築併せると、約26.7万円/kWで、前年度に比べると、8,000円/kWの減少となっています。

今後の動向としては、低減傾向にあり、2024年度のシステム費用の想定値を25.5万円/kWを採用することとしたとされています。
※参考元:資源エネルギー庁webサイト|2024 年度の住宅用太陽光発電の調達価格

住宅用の設置kWでは、3kW〜5kWの設置が多くみられます。
2024年度の想定値(25.5万円/kW)でいくと、765,000円〜1,275,000円が設置費用の相場であることが分かります。

FIT制度(固定価格買取制度)では、「設置費用報告書」を届け出る必要がある為、こうした設置費用のデータを基に、想定値を算定することが出来ます。

新築・既築それぞれと、両方を併せた平均値が出されていますので、相場を大幅に上回ったり、下回った場合は注意が必要です。

「なぜその金額になっているのか?」を尋ねてみて、理解・納得出来る説明をしてくれるのかも判断基準の1つとなります。

信頼できる業者の方と「迷ったら相談をする」という関係を築くのが最も大切です。

例えば、太陽光発電で効率の良いとされる南向きの屋根でも、東西に山があったりして影がかかるのに、営業さんから「大丈夫です」と言われて設置したところ、メーカーさんの発電シミュレーションをはるかに下回ったケースもあるようです。

新築の際に設置する方が安い

「新築・既築それぞれと、両方を併せた平均値が出されています」と前述した通り、新築・既築で金額が変わります。

経済産業省の発表から見てみると、既存住宅に太陽光発電を設置する時と比べ、1kW単価が約20,000円安く設置出来るデータとなっていますので、新築時に設置する方が安いです。

「新築・既築」のお話になりましたので、金銭面以外のメリット、デメリットもあわせてみていきましょう。

新築での設置のメリット

新築で設置するメリットには以下のようなことが挙げられます。

・設計段階で、太陽光発電に適した屋根の向きや勾配・配線・機器の設置場所等を決められる。
・住宅ローンと一緒に費用が賄えるので、低金利で設置が出来る。
・足場が必要な場合は、新築工事と同時に使える為、別途工事費がいらなくなる。
 (陸屋根や平屋など、足場がいらない場合もあります)

新築での設置のデメリット

一方、新築で設置するデメリットには以下のようなことが挙げられます。

・住宅メーカーによっては、決まった太陽光発電メーカーの取り扱いとなり、種類が少なかったり選べない事もある
・屋根一体型の太陽光を設置した場合、固定資産税の対象となる。

既存住宅に設置した場合のメリット

・専門業者の選択が出来るので、変換効率の良い太陽光発電メーカーの提案を受けることや自分が希望するメーカーを選べる。
・家の電気使用量に合わせて、その家々に最適な提案がしてもらえる。
・脱着可能な太陽光発電なので、固定資産税の対象外となる。

既存住宅に設置した場合のデメリット

・支払い方法が、現金、又はソーラーローン・金融機関からの借入となる為、金利が上がる。
・太陽光発電設置を想定していなかった屋根だと、十分な設置kW数が設置出来ない事もある。(片流れ屋根の北向きは完全に不可)
・屋根の老朽化により、屋根の補修や葺き替えなどのリフォームと併せると、太陽光発電以外の工事代金がかかる。
※ただし、両方の工事を行える業者だと、割安にしてくれるケースもあるので、お得に済む場合もある。

FIT制度では、太陽光を設置して、系統連系が開始してから10年間の売電が約束されています。

売電期間の面から見たら、新築・既存住宅どちらで設置しても、変わりはありません。
※売電単価は、その年度によって変わりますのでご注意ください。

また、新築時に設置される方も今は増えていますし、新築時の住宅ローンの限度額の関係で、数年後に付けられる方もいらっしゃいます。

これからの時代、再生可能エネルギーは必須になってきますので、仮に一旦太陽光パネルの設置をしないとしても、新築時には太陽光発電を設置する想定で、屋根の設計をしておいた方が良いと思います。

中には、設置したくても、環境等が不向きで設置出来ない方もいらっしゃいます。

自宅の土地が空いていた方は、住宅用の野立てを設置していたりと工夫の余地はあるので、やはり信頼関係を築くことが重要と言えます。

その上で、ご自宅の屋根が、太陽光に適しているか自宅周りの環境も見てもらい、補修が必要な場合なども含めて費用はどれ位かかるか見積りを出してもらって、シミュレーションや施工方法など詳しい説明を聞いて判断することが大切です。

関連記事:太陽光発電の価格相場とは?仕組みや導入メリットについて紹介 

太陽光発電設備の購入価格

いくら信頼関係を築けたとしても、初期費用も安いものではありませんし、不安になってしまう気持ちもわかります。

しかし、太陽光は自宅で電気が作り出されるという画期的なシステムで、寿命も25年〜30年以上と言われています。

一度設置したら、中々取り換えられるものではないので、初期費用も大事ですが、発電量とのバランスも確認しなければなりません。
そのバランス、発電量については、メーカーの見積書の中に、「発電シミュレーション」というものがあります。

発電量が多いメーカー(変換効率の高いメーカー)、発電量が少ないメーカー(変換効率の低いメーカー)だと、商品性能として、発電量が多いメーカーの方が、高性能であることがほとんどです。

パネルの費用も発電量が少ないメーカーより高く見えますが、例えば、同じ条件での発電量を見てみると、発電量が多い方が設置後は電気代も安くなりますし、売電する量も多くなるので「初期費用が高く見えた方が、実はお得だった」という事もあります。

発電量が少ないから粗悪品だという話ではありませんので、その家庭に合った商品選びのアドバイスをもらいながら進めると良いと思います。

やはり業者さんとの信頼関係が大事ですね。

また、どこの会社に工事を依頼するかは、相場・商品選びと共にとても重要です。

「工事をしたら終わり」の姿勢の会社ですと、何か不具合があった時や困った時に、電話をしても中々見に来てもらえなかったり、実際に行かない会社もあります。

太陽光発電は、高寿命な精密機器ですので、何かあった時こそ素早い対応をしてくれる会社を見極めていく必要もあります。

滅多にありませんが設置後の不具合には、施工会社で出来ることとメーカー対応になることがあります。
設置したパネルのメーカーさんが、素早い対応をしてくれるかも大切ですね。

購入価格には、システム機器と工事費用以外にも目を向けて、大切なものが欠けていないか、きちんとした対応力が含まれているかも含めて検討していく事をおすすめします。

太陽光発電の設置工事にかかる費用

経済産業省の発表によると、2022年度はこのような1kWあたり約261,000円の設置工事費となっていました。
上から順に見ていきましょう。

工事費が71,000円
架台が21,000円(設備費)
パワコンは42,000円
パネルが145,000円
その他の2,000円で合計はおよそ281,000円、19,000円程の値引きがあり、1kWあたり約261,000円でした。

住宅用設置に多い、3kW〜5kWでみると、3kWは、783,000円〜843,000円、5kWだと、1,305,000円〜1,405,000円の費用となることが分かります。

今後の動向は、わずかながら低減傾向にあり、2024年の想定値では1kW255,000円とされています。
住宅用設置に多いのは、3kW〜5kWなので、2024年の想定値である255,000円/kWをベースに考えると、765,000円〜1,275,000円ほどの費用となることが予想できます。

太陽光発電は、その家の周辺環境や屋根の形状により異なってきますので、架台や金具、設置工法をどのようにするかで、費用の違いが出てきます。

太陽光発電購入に際する補助金について

全国的にみると、補助金制度を出している自治体もあります。

2024年度は、熊本市では、太陽光発電と蓄電池をセットで購入した場合に対象となる補助金があります。補助金額は1件につき80,000円で、補助枠130件(予算1,040万円)の予算に達すると終了してしまいます。

申請に必要な手続きなどは弊社でしておりますので、安心してお任せください。

太陽光発電の設置費用内訳

国の調達価格等算定委員会によって、設置費用の相場が分かりました。
その設置費用に含まれるものは、以下のようなものです。

①太陽光パネル
②パワコン
③接続箱
④カラーモニタ
⑤配線ケーブル
⑥架台・取付金具
⑦電気工事及び設置工事 

この他に、把握しておくこととして、以下のようなことを確認することを推奨しています。

①どこのメーカーなのか?
②何kW設置できて、発電量はどれ位あるか?
③メーカーの無償保証内容は、どういうものか?
④自然災害補償の費用は別途の場合が多いので、その費用と補償内容、補償期間はどうなっているのか?
⑤屋根の形状により、別途架台や金具が必要な場合があるので、その費用や種類はどういうものか?
⑥電力会社やFIT制度の申請手続きも含まれているか?それとも別途費用がかかるのか?

また、FIT制度の手続きには、施主様の方で準備してもらう書類(印鑑証明書など)があります。

設置費用は、パネルの「kW数×kWの単価」で分かりますが、その他にかかる費用や設置までの流れや工事の手順なども、きちんと説明を受け、相談できる業者さんと関係を築いておきましょう。

関連記事:太陽光発電システムと蓄電池を連携して使用するメリットを解説

費用を抑える方法

近年、SDGsに掲げられているエネルギー問題や停電対策、そして電気代の高騰対策といった観点から、太陽光発電は再注目されています。

太陽光発電の設置費用については相場価格を見てみると100万円前後の初期費用が必要となり、施工品質や設置後の対応力など、トータル面で検討していかなければなりません。

業者選びによって、金額の差や対応の差が出てきます。

そこで、太陽光発電機器の購入方法(業者の販売方法)として、「訪問販売」「ネット販売」「地元の太陽光業者」「量販店」などがあります。

1社だけでは比較が出来ないので、2〜3社での比較・検討をすると費用を抑えることも可能です。

設置した後、後悔しない為に実際にあった事例を紹介しておきます。

太陽光の販売に来られて、
「今、太陽光を設置したら、限定で、エコキュートを無料で取り換えますよ!」
「鳩除けネットはサービスでします!」
「蓄電池をセットで付けたら、今だけモニター価格として、太陽光を半額にします!」
など、まさかと驚くような言葉で惹きつけておいて、実際は相場をはるかに超えた金額で設置されている方もおられます。

全ての訪問業者がしているとは言いませんが、無料・サービス、限定・モニター価格や半額、といった言葉に気を付けて、専門知識を持って、しっかり相談に応じてくれる人の言葉に耳を傾けてみて、判断していくべきだと思います。

初期費用0円ソーラーサービス

最近では、「初期費用0円ソーラーサービス」といった制度があります。

0円ソーラーサービスとは、ソーラーサービス事業者が初期費用を一時負担して、太陽光発電を設置し、住宅所有者は電気料金又はリース料を支払う事で、初期費用0円で太陽光発電を設置出来ます。
※参考元:環境省HP 再エネスタート

新築の場合は住宅会社を通して、既存住宅の場合は0円ソーラーサービス事業者を通して、こちらの制度を利用することが出来ます。

太陽光発電で作った電気を、自家消費した分だけを事業者に支払うか、月々一定額のリース料を事業者に支払う方法があります。

0円ソーラーサービス事業者は、発電した電力を住宅所有者に販売する事で、初期費用を回収するので、住宅所有者は初期費用0円で太陽光発電を設置することが出来ます。

さらに、事業者との契約内容によりますが、約10年〜20年後には、初期費用0円で設置された太陽光発電は、住宅所有者へ無償譲渡されます。

下の表は、自己所有した場合と自家消費料金を支払う場合、リース料金を支払う場合の違いです。

自己所有 PPA
0円ソーラーサービス)
リース
期間中の所有権 ユーザー 事業者 事業者
初期費用 設置費用 0円 0円
月額費用 0円 自家消費課金 リース料金
売電収入の帰属先 ユーザー 事業者 ユーザー
契約電力会社 制限なし 事業者
(制限なしの場合あり)
制限なし
ユーザーのメリット 売電収入と自家消費の電気代削減効果が得られる 初期費用は事業者負担

自家消費の電気代削減効果が見込まれる

メンテナンス費が不要

初期費用は事業者負担

売電収入と自家消費の電気代削減効果が見込まれる

メンテナンス費が不要

ユーザーのデメリット 初期費用が必要

天候等の条件含め投資回収のリスクを伴う

ローンの場合、与信の影響あり

メンテナンス費はユーザー負担

余剰売電収入は事業者に充当される

自家消費分は有料

設置条件あり

月額固定のリース料金支払いのため、天候等の条件含め投資回収のリスクを伴う

PPAより割高になるか

設置条件あり

契約期間 なし 10~20年
(契約期間経過後は、需要家にシステム一式が無償譲渡される)
10年
(契約期間経過後は、需要家にシステム一式が無償譲渡される)

※参考元:住宅用太陽光発電システムの導入方法 – JPEA 太陽光発電協会

年齢制限や築年数の制限がありますので、各事業者・自治体によって制限の幅が違ってきます。

下記、環境省HPから事業者等の検索が可能です。参考にされてみてください。
0円ソーラー | 再生可能エネルギー導入方法 | 「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用 

まとめ

太陽光パネルの設置には、トータルで100万円ほどかかってしまいます。その上、色々な制度があり複雑に見えますが、基本となる考え方は、「パネルのkW数×kWの単価」となります。

その上で、補助金や初期費用0円ソーラーサービスなどの活用を考えていくと良いでしょう。

又、リース料金など、10年~20年の支払額が、トータルで見た時に、初期費用自己負担で設置した時の方がはるかに安かった、という場合もありますので、細かく確認をしていく事をおすすめします。

それでもまだ、難しいものではありますし、怪しい言葉に惑わされる人も残念ながらいらっしゃるようです。
とりあえず小さなスタートとして、各社の資料を比較しながら、ご家庭の消費電力と最適な答えを考えてくれる業者さんと結びつくことが大切です。

太陽光発電にあたってわからないことは常に相談し続けながら、ご自身も正しい知識を身につけつつ、常に一緒に考えてくれるようなパートナーとなる企業に巡り合うことが理想です。